最近、こんなニュースを目にしたんだ、
燃料電池車普及に向け補助金制度導入へ(NHKニュース)
「2025年ごろまでには、現在は1000万円近い価格になるとされる
燃料電池車の販売価格を、ハイブリッド車と同じ水準に引き下げる」
また、
「燃料の水素を供給する水素ステーションの整備を加速するため、
2020年ごろまでに、建設コストを現在の半分程度にできるよう規制緩和を進める」
というお話。素晴らしいよね、CO2を排出しない燃料電池車が普及するなんて。
でも、「いい年をしたおっさん」のぼくとしては、「そううまく行きますか?」って
いう漠然とした不安のようなものがあるのよ。
たとえば、この引き合いに出されたハイブリッド自動車。急速に普及しているよね。
(結果的に)低燃費だし、従来型の内燃機関動力の自動車より排気ガスもクリーンだ。
でも、EV(電気自動車)も同様な価格帯まで降りてきてるんだけど、残念ながら
ハイブリッド車ほどは普及していない。ハイブリッドよりも歴史がある、いわば枯れた
テクノロジーだし、ハイブリッドのように補助動力装置が不要な分だけ有利な
はずなのに。
その理由は言うまでもないと思う、そう、充電ステーションがまだまだ普及しきっていない
からだ。普及しつつあるとはいえ、まだまだガソリンスタンドとは比較すべくもない
レベルなんだよね。
ハイブリッド車の補助動力装置は通常の内燃機関だ、だから、既存のガソリンスタンド
で気軽に給油できる。その気軽さが普及を後押しした。
というより、ハイブリッド自体、既存のインフラ(ガソリンスタンド)を利用してEVを運用
するために生まれたシステム のようなものだから当然の帰結なんだよね。
燃料電池車の普及の障害と成り得るものはEVと本質的に同じ だと思う。
燃料補給のための水素ステーションが普及しなければEVのように「短距離利用のための
コミューター」としての地位しか得られない。メインに使用できる自家用車、「どこにでも行ける
どこでもドア」のような 魅力的なツールとしての地位は望めない んだ。
「使える場所が限られる」というのは普及のための(心理的な)阻害要因になる。
現在PCの需要が落ちていることを考えればイメージしやすいだろう、
クラウド・コンピューティング等の普及で、コンパクトなスマートフォンやタブレットに
PCとほぼ同じことが出来れば情報端端末としてのPCのアドバンテージは無くなってくる、
だから必然的にPCは売れなくなる、というのが現状なんだよね。
燃料電池車の普及ポイントも、この 「どこでも使える」 ということが重要になってくる。
もちろん、「水素ステーションの整備を加速するため、2020年ごろまでに、建設コストを
現在の半分程度にできるよう規制緩和を進める」というような施策も行われるのだが、
現実的に、「はたしてそれで十分か」 ということなんだよね。
ご承知の方も多いと思うけれど、現在、各地のガソリンスタンドは減少しつつある。
それは自家用車の減少やエコカーの増加による売上の減少、という側面もあるのだけれど、
改正消防法への対応や設備老朽化の対策のためのコストを負担できないという側面も
大きいんだよ。そしてたぶん、水素ステーションのときにも繰り返される。
そうなれば「夢の燃料電池車」もまたEVの轍を踏むことになるだろうね。
「じゃ、一体どうすりゃいいのよ?」ということなんだけど、
ここからは 全くの私見 なので「眉に唾をつける」準備をしておいて欲しいんだけど(笑)、
たとえば、燃料電池車の普及は遅れるかもしれないけれど、
PHVの普及に補助金を付けて、ひとまずPHVをハイブリッド車と同じ価格レベルにする 、
そうするとどうなるか。ハイブリッド車の発展系に過ぎないPHVを普及させる意味が
どこにあるのか、ということなんだけど、それは、PHV車に出来てハイブリッド車に出来ない
ことに使うためなんだ。 PHVはスマートグリッドの一部として機能できる という
メリットがある。
スマートグリッドが普及すれば住宅用太陽光発電の普及が加速する等内需が拡大する
可能性がある。また、家庭用燃料電池の需要が増加して燃料電池のコストダウン
が図れるかもしれない。
家庭用燃料電池にはコスモ石油のような石油元売り企業も参入している。
家庭用燃料電池の普及は、将来水素ステーションを設置するための支援に使うための
原資を蓄積することに資するかもしれない。
水素ステーション等のインフラを整備するにあたっては民間活力をもって行うのがより健全だ。
だけど、そのためには、そのための 体力をつけておく必要がある だろうと思うんだ。
燃料電池はいわば「夢の新エネルギー」だ、だからたいせつに育んでいくべきだと思う。
「夢の新エネルギー」を「夢」のままで終わらせない ために、「地に足をつけたブレーク
スルー」 を目指していくべきだと思うんだけど、どうかな。
では、また。

